紫カントリークラブすみれコースでは、スロープレーティングを導入により倶楽部競技の活性化が進んでいる。

どのような活動を通して活性化に結び付けたのか、中本ハンディキャップ委員長、眞々田委員に話を聞いた。

まず初めに、スロープレーティング導入の経緯を教えてください。

中本委員長:JGA/USGAハンディキャップインデックスを導入したのは、2019年の4月からです。それまでは、当倶楽部にはNEW J-sysを利用した「JGA/USGAハンディキャップインデックス」と「倶楽部ハンディキャップ」の2種類のハンディキャップが存在しておりました。倶楽部ハンディキャップは、3ヶ月に1回開催されるハンディキャップ委員会にて、NEW J-sysにて算出されたインデックスを基に、倶楽部競技の成績などを加味して手作業で算出をしていました。2020年には日本オープンも控えていましたので、「倶楽部ハンディキャップのままやっていていいのか」という疑問があり、「JGA/USGAハンディキャップインデックス」に切り替えました。

中本ハンディキャップ委員長(紫カントリークラブすみれコースハンディキャップ委員長)
眞々田委員(紫カントリークラブすみれコース競技委員、関東ゴルフ連盟ハンディキャップ委員会普及部会委員)

導入当時に大変だったことはありますか?

中本委員長:メンバーにハンディキャップインデックスを理解してもらうことが一番大変でした。コースハンディキャップの計算方法など、理解してもらうのに半年ぐらい掛かったと思います。その解決のために、眞々田委員を中心に啓蒙運動に特に力を入れました。

具体的にはどのように啓蒙活動を行ったのでしょうか?

眞々田委員:先ずは、研修会でハンディキャップインデックスを導入しました。それまでは、研修会を倶楽部ハンディキャップで行った際に実力との差異が大きくあり、入賞者に偏りが生じていました。ハンディキャップインデックスとスロープレーティングを利用することにより、これまで、ネットスコアの表彰を受けられなかった年齢が高い方や女性ゴルファーも、入賞し賞品がもらえるようになり、その声がメンバーからメンバーへと広がっていきました。当初は、倶楽部ハンディキャップを残してほしいという声もありましたが、今ではハンディキャップインデックスの公平性を感じていただき、その声もほとんどなくなりました。

導入に対して反対意見はありましたか?

眞々田委員:今でも倶楽部ハンディキャップが欲しいという声もあります(笑)

ハンディキャップインデックスの取得者は何名程ですか?

荒木支配人:当倶楽部には約1,100人のメンバーがいます。その内約410名がハンディキャップインデックスを取得しています。始めた当初は約340名でしたので、おおよそ1年で70名取得者が増えました。委員会のリーダーシップのおかげで、順調に増えてきていると思います。

メンバー同士いつでもハンディキャップインデックスの確認がかのうになっている。

倶楽部競技にはどのような変化がありましたか?

眞々田委員:2020年8月の月例競技からスロープレーティングを導入しました。研修会での好評の声が広がり、一度競技から離れていた方なども再び参加するようになり、競技会の参加者が増えてきました。

ハンディキャップ委員会の役割を教えてください。

中本委員長:ハンディキャップ委員会では、3ヶ月に1回全ハンディキャップインデックス取得者のインデックス推移を確認しています。大きくハンディキャップインデックスが動いたメンバーに対しては、提出されたスコアを確認してその有効性を判断しています。まだ、当倶楽部ではおかしいスコア登録はありません。

左から)紫カントリークラブすみれコース 眞々田委員、中本ハンディキャップ委員長、関東ゴルフ連盟 平本ハンディキャップ委員長、渋井普及部会長

名誉ハンディキャップから、実力に相応しいハンディキャップインデックスを持ってもらうために、どのように理解を求めたのでしょうか。

眞々田委員:良いスコアも悪いスコアも登録がされるように、スコアカードの提出を徹底してお願いしました。

中本委員長:ハンディキャップ委員会がすべて提出のチェックをおこなって、提出ができていないメンバーに対しては個々に注意をしていきました。今では各々で登録がされるようになりました。結果、自分の実力が反映され、会員の皆さんにも大変喜んでいただいています。

導入に悩んでいる倶楽部にアドバイスを教えてください。

中本委員長:一番のポイントは、プレーヤーがティーを選択ができることだと思います。例えば、バックティーを使用した競技の場合、年配の方は「距離が長いバックティーは嫌」、逆に若い方は「レギュラーティーの短い距離は嫌」といった声がありました。スロープレーティングを利用すれば、回りたいティーを選択して公平に競い合えますので、ゴルファーのニーズにも対応することができると思います。